西荻窪駅から徒歩5分、商店街のアーケードを東に逸れると街の喧噪を忘れさせる程、閑静な住宅街が広がる。敷地は東側４M道路で間口8.5M、25坪程の狭小敷地で、東側以外は隣家が迫っている。光が燦々と降り注ぐリビングと心地よい浴室。施主の第一声であった。

隣棟間隔と高さ制限、光と風、様々なスタディの結果導き出されたのが、地下から5層のスキップフロアの採用であった。吹抜けのスキップ階段は、南側からの自然光と相俟って、各フロアのコミュニティを絶妙にコントロールする。
玄関ポーチは一段上げる（GL+1000）事で、地下空間（GL-1600）の深さを半減させると共に、一部FRPグレーチングのドライエリアから地下主寝室に柔らかい光を落す。

玄関から一段上がった最も光が入る2階に生活の中心を配置。傾斜天井がよりいっそうの太陽光を取込むと同時に、3階水廻りへの導線を確保している。 3階に開閉式トップライト付の浴室を配置。L字型の浴室は法規制による有効空間を合理的に活用した結果である。

スキップフロアによる微妙な空間のズレが、高さに因る空間の差別化と、光による劇的な変化を生み出した。